学業
三船久蔵十段の学問への取り組みもまた、目を見張るものがあります。
まず、中学受験は、郡役所を退職したのちに猛勉強の末、倍率約10倍の難関を突破して 仙台二中に合格しました。勉強期間は1年もありません。
そして、中学時代の6年間は柔道に一心に取り組みますが、本業である勉強も忘れてはいません。
柔道と同じく勉学をおろそかにすることがなかった三船久蔵十段は、上位成績で中学を卒業しました。
学問の道は、中学卒業後にも続き、早稲田大学予備科を経て慶応大学理財科へと進みます。
講道館入門後に大学へと進みましたので、柔道のスピード昇段の傍ら大学での勉強をこなしていたのです。
また、柔道を深く追求するにつれ、柔道と密接な関係があるとの自論により、物理学や力学の研究にも
精力的に携わりました。
その結果、神業とさえ言われた「空気投げ(隅落とし)」を編み出すことに結びついたのです。
三船久蔵十段にとって、勉学と柔道は同一なものであり、得意の書道の作品として「文武一道」を残しています。