郁子夫人
三船久蔵の十段は、
先生の5段に奥さんの5段
二人あわせて十段だ・・・
門下生がこのように語るように、三船久蔵十段が十段昇段という偉業を達成できたのは、家庭を守り夫を精神面から
支え続けた郁子夫人の内助の功による部分も大切です。
三船久蔵十段は郁子夫人に全幅の信頼を置き、新しい技を編み出すと真っ先に夫人に説明して意見を求めました。
私は、家内のことなら何でもオ−ケ−。
私たちは全くピタッとあっているんですよ
三船久蔵十段自らがこう話すように、郁子夫人がいてこその十段だったのでしょう。
郁子夫人の三船久蔵十段を思う気持ちは、とても一途なものでした。
三船久蔵十段のことが掲載されている雑誌や新聞はもちろん、チラシやビラなどありとあらゆるものを
スクラップブックに残してきたのです。
また、郁子夫人の手記には「オリンピックの役員制服」「モーニング」(格式高い場に赴く正装のこと)「夫は栄誉輝きて」
と書き残しています。
夫の躍進や成功を最も喜んでいたのは、三船久蔵十段と一身同体ともいえる郁子夫人だったと感じられます。
なお、柔道の昇段において異例のスピードで駆けのぼった三船久蔵十段。結婚においても、話が舞い込んでから挙式までたった
2日という異例のスピードをみせています。
親同士が持ち寄った縁談だったため二人は面識がなく、初対面はなんと挙式当日。お互いがお互いの顔を見て
「ホッ」としたそうです。初めて出会ったときから、すでに息はぴったりだったのですね。