三船久蔵(みふねきゅうぞう)十段とは
三船久蔵十段とは、嘉納治五郎(かのうじごろう)が創設した講道館柔道において、史上4人目の十段に到達した柔道家です。
身長159センチメートル、体重55キロという小柄な体格ながら、自分より一回りも二回りも大きな相手をいとも簡単に
投げ飛ばすことができました。まさに「柔よく剛を制す」を再現した柔道の名人です。
小柄な体で相手を投げ飛ばすため、普段からたゆまない努力をし続けてきたそうです。
その努力は、普段の練習はもちろんプライベートにまで至り、常に柔道に身を捧げてきました。
その結果、現在の66ある柔道の決まり手には、三船久蔵十段が編み出した技が数多くあり、
中には、今も昔も三船久蔵十段ただ一人しか繰り出せない幻の技「空気投げ(隅落とし)」もあります。
隅落とし(空気投げ)とは
隅落とし(空気投げ)とは、柔道の決まり手66のうちの1つです。体捌きだけで相手の重心を崩して、柔道着を持った手以外は相手に触れずに投げます。一般的には空気投げと呼ばれますが、バケツで水をまく動作に似ていることから「バケツ投げ」と呼ばれることもありました。
なお、合気道にも「隅落とし」という技がありますが、柔道の隅落としとは別の技です。
三船久蔵十段の性格
三船久蔵十段は、とても負けず嫌いで「何がなんでも勝つ」という性格の持ち主。幼少のころは「悪童」と呼ばれ、歳を召してからは「老人童」とも言うべき、純粋に柔道で強くなることを追及しました。
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